たばこについて

日常、私たちが手にする「紙巻たばこ」や「葉巻」、「パイプたばこ」など、各種の製品たばこは、ナス科タバコ属の一年草の亜熱帯性植物を原料にしています。2001年の全世界の紙巻タバコの生産本数は5兆4710億本であり、葉タバコの最大生産国である中国が、紙巻タバコにおいてもシェア3割を超える最大の生産国となっています。日本は輸入国として2372億本。生産に関しては低く現在、熊本県を中心とする九州山地一帯で、5品種が僅かに栽培される程度です。このページではたばこに関わっていく人これから関わっていく人へ。「たばこ」とはどういうものかお話していこうと思います。

たばこの歴史

古来よりあるたばこ

マヤ文明をはじめ、神と「たばこ」の関係が信じられていた新大陸(=古代アメリカ大陸)では、「たばこ」は儀式にも欠かせないものでした。当時、「たばこ」から立ち昇る"紫煙"は、神々への良き供え物であると同時にお告げをもたらすものと考えられ、その炎の動きや煙の形から、戦いの勝敗や未来の吉凶までが占われました。

また、北米先住民の間では、部族間の"和を結ぶ"儀式の際、パイプ喫煙が行われるようにもなっていました。

さらに、儀式で活用されるようになった「たばこ」は、治療にも用いられるようになります。新大陸では、"病気を引き起こすのは体に宿った悪霊のせいであり、霊力を持つ呪術師がそれを追い払うことで回復する"と考えられていました。

ヨーロッパから世界へ

コロンブスの新大陸への上陸をきっかけに、ヨーロッパへ持ち込まれた「たばこ」ですが、特に注目されたのは"薬草"としての効能でした。

当時、ヨーロッパの各国は、疫病や食糧難に苦しめられ、病を治す薬を切実に求めていたのです。そこへ、新大陸へ渡った多くの探検家たちが"先住民が「たばこ」を薬として使用している"との報告を寄せたため、「たばこ」にスポットが当たりはじめます。なかでもスペイン在住の医師であるニコラス・デ・モナルデスが著した「たばこ」に関する1冊の書物は注目を浴びました。

モナルデスは情報を丹念に収集して「たばこ」を栽培し、1571年に『西インド諸島からもたらされた有用医薬に関する書 第二部』を出版します。このなかで彼は「たばこ」を万能薬と位置づけ、新大陸の先住民の使用法や、その薬効などを事細かに解説し、推奨しました。 これがヨーロッパ各国で翻訳されてベストセラーとなり、以後、この書物は「たばこ」の万能薬信仰のバイブルとして、影響を持つこととなったのです。

モナルデスの著書が発表された頃、スペインでは自国の植民地内での「たばこ」の栽培が盛んになります。これはスペインが、現・メキシコの中央部に栄えたアステカ王国と、ペルー・ボリビア・エクアドルを中心に栄えたインカ帝国を征服したことに端を発します。

当時のスペインは、国王が絶対的な権力を握る絶対王政の時代であり、王室は植民地が自国にもたらす莫大な富を求めていました。なかでも、薬草としても注目を集める「たばこ」は重要な産物の1つであり、スペインは、資源の豊富な南米の各地を次々と植民地化し、現地で盛んに「たばこ」を栽培させます。

こうしてスペインは、イギリスが台頭しはじめる16〜17世紀前半まで、世界の「たばこ」貿易を独占することになったのです。

日本とたばこ

コロンブスの新大陸到達後にヨーロッパ各地へ広まりつつあった「たばこ」が 日本へ渡来したのは16〜17世紀にかけてといわれています。 それは、日本が初めて西洋文明と出会った時期でもありました。

日本と西欧の貿易は、天文12(1543)年にポルトガル人の乗り合わせた船が、鹿児島県の南方に種子島へ漂着したことからはじまります。この偶然の航路発見以降、ポルトガルをはじめ、スペインやヨーロッパ諸国が相次いで日本を訪れ、日欧間の貿易が行われるようになりました。これがいわゆる"南蛮貿易"です。

日本へは南蛮貿易を通じて、ヨーロッパのさまざまな文物が渡来しました。 伝来品としては鉄砲やキリスト教など、よく知られているものもありますが、カボチャやジャガイモのように今では一般化して、とても外来品とは思えないような品もあります。そのなかでも「たばこ」は、南蛮渡来の珍しい品でありました。

日本ではキセルと呼ばれたパイプを使っての喫煙。そのキセルも,近世風俗画などに描かれている初期の頃のキセルは大分大ぶりで ,長さは優に1メートルを超すように見えます。

こうした大ギセルを持ち歩くことが,まず「かぶき者」と呼ばれた伊達男などの間で流行しました。1609年(慶長14)の最初のたばこに対する禁令は ,かぶき者の取締りのために出されています。以後幕府は,喫煙を異国から伝わった無益な風習として非難し,たばこの栽培や売買までも禁止する法度を度々出しますが効き目がなく ,禁煙令はわが国では実質15年位で沙汰止みになりました。そして禁煙令に代わって,寛永19年(1642)の大飢饉を契機に,本田畑でのたばこの耕作を禁止ないし制限する御触書が出されるようになります。しかしこれもあまり守られず ,幕府からのたばこ耕作規制令も18世紀に入ると見られなくなり,諸藩の中には産業としてたばこの栽培を奨励するところも出てきます。

たばこの種類

紙巻たばこ
火があればタバコ単体でそのまま喫煙可能なように加工されたたばこ。現在もっとも普及しているたばこです。特に日本では単に「たばこ」と言えば紙巻きタバコを指す事が殆ど。
手巻きたばこ
紙巻たばこを自分で作るようたばこ葉だけのたばこ。作るにはペーパー、フィルター等が必要になります。
葉巻たばこ
葉巻タバコはタバコの葉を筒状に巻いたもので、フィルターなどはなく吸い込んだりせず口に含み、時間や香りを楽しむたばこ、嗜好品で高値、火のつけ方なども特殊であり上級者向け
パイプたばこ
パイプという喫煙用具に刻みタバコを詰めて吸うたばこです。紙巻たばこが多い日本では趣味性の強い喫煙方法と見なされています。
嗅ぎたばこ
嗅ぎタバコは、火をつけずに薫りを楽しむタバコです。歴史は古いが、日本においてはあまり普及していないたばこです。現無煙たばこもこれに該当します。

喫煙マナーを大事に

たばこを吸うにあたってきちんとした喫煙マナーはとても大事です。ビジネスマナーにも関わっていきます。最近ではスモハラ(スモークハラスメント)という言葉も出てきています。

歩きたばこ、ポイ捨て、禁煙場所での喫煙など基本的なことはもってのほかです。まずは携帯灰皿を持つようになりましょう。喫煙者の76%は持ち歩いてるそうですよ。

後はビジネスとして、訪問先で吸いたくなったらどうするか。特に短時間の訪問なら我慢しましょう。何時間にも及ぶ場合は、先方が吸うまで我慢するか、「失礼します」と一言断ってからにします。自分が吸いたいために、先方に灰皿を持ってきてもらうような手数をかけることは控えましょう。灰皿がない場合は、最初からその場で吸うことはあきらめ、休憩のときに喫煙スペースを教えてもらって、そこで吸うようにします。

では、自社にいらしたお客様が「吸いたい」とおっしゃった場合は?自社が全社禁煙であるにもかかわらず、来社されたお客様にタバコを吸ってもいいかどうかを聞かれた場合は、「申し訳ございません。当社は全社禁煙となっておりまして」と喫煙を控えることをお願いしましょう。 喫煙 が可能なオフィスの場合は、灰皿を用意するなり、喫煙スペースまでご案内しましょう。

ただし自社にしても訪問先にしても、先方も上司も吸わない場合は、吸わないほうが賢明ですね。

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